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名盤 ブルックナー:交響曲第4番【05】 ヴァンスカ

ヴァンスカブル4
「ロマンティック」
第1楽章・第3楽章
(1888年版/2004年コーストヴェット校訂版)
ミネソタ管弦楽団
オスモ・ヴァンスカ(指揮)
Osmo Vänskä

2004年に出版されたコーストヴェット版を用いているのが注目。一般的に「第3稿」と呼ばれる悪名高き1888年版に基づくものですが、それが偏見にすぎなかったことを証明してくれます。内藤彰指揮東京ニューシティ管弦楽団盤に次ぐ2つ目の録音となります。(略)重厚さや濃厚さと無縁の21世紀的ブルックナー演奏の歴史の始まりと申せましょう。(キングインターナショナル)


この曲の多くの録音が採用している「第2稿:1878/80年稿」と「コーストヴェット校訂版」の違いを聴き分ける自信がありませんが、とりあえず聴いてみたいと思います。(追記:全然違いますね。)

第1楽章
ブルックナー開始とホルンの主題呈示はやや淡泊に感じますが合格です。主題が木管に移ってもあっさりめであることは変わりません。強弱変化が極端なのは版の特長でしょうか。快速テンポで進んでいきます。第2主題は弾むリズムでポリフォニックな響きが楽しい。楽曲が巧みに整理整頓されており、非常に興味深い演奏なのですが、版によって演奏効果をねらい過ぎている箇所が気になりますね。全体にこれまで聴いたことががないような「ロマンティック」の世界で、新鮮に感じられる演奏であることは確かです。オーケストラの演奏精度が高いこともあり、目から鱗です。
展開部は、演奏自体は良いものの、どうしても版が気になってしまいます。これだけの演奏ができるのだから、変な版を使わないで第2稿:1878/80年稿で録音してくれたら嬉しかったのに。
再現部の演奏は、私の心の中にある交響曲第4番とあまりにも違っていて、とまどいを感じることも少なくないのですが、とてもユニークな演奏であることは確かです。愛聴盤にはなりませんが、一度は聴いても損はない演奏ということは言えます。一度聴けば十分かもしれません。
なお、左右対向配置です。響きは軽くてブルックナーらしくありません。

第3楽章
この楽章も出だしは好調です。良い感じです。信号風音型によるホルン主題のリズムが面白いです。ヴァンスカの才能を感じますし、その指示をきっちり音にするミネソタ管はとても優秀なオーケストラです。スケルツォ部の最後には驚きます。
トリオ部もまさに農民舞曲です。素朴さはなく、都会的に洗練されていますが、これもとても面白い表現です。第3楽章の可能性を感じさせます。
再び訪れるスケルツォ部は、最初はびっくりします。私は改訂版をほとんど聴いたことがないのですが、こういう風になっているのでしたっけ?

繰り返しになりますが、これだけの演奏が可能なのですから、ヴァンスカには第2稿:1878/80年稿で録音してほしかったです。しかし、コーストヴェット校訂版だから録音する気になったのかもしれません。大変興味深い演奏でした。


20日(土)、21日(日)、22日(月)は実家に帰りますので、ブログの更新はありません。23日(火)から再開したいと思います。

よい週末をお過ごしください。
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コメント

コメント(2)
改定版
これが改定版だったことに今更ながら気づきました。全体に印象の薄い演奏でしたので…聴きなおしてみると、なるほど、クナッパーツブッシュと同じですね。
この版はフランツ・ウェルザー・メストも好んで取り上げていて、以前NHKBSで放送されたものを聴いて、とても感心した記憶があります。オケはクリーヴランド管、場所は聖フローリアンでした。個人的に第1楽章は面白く、あとは原典版のほうが聴きごたえがあると思います。

yositaka

2021/11/24 22:30 URL 編集返信
ハルコウ
Re:改定版
ネコパパさん
ヴァンスカのディスクで初めて買ったのは、シベリウスのヴァイオリン協奏曲(カヴァコス独奏)で、原典版と改訂版の聴き比べができる便利なCDだったのですが、演奏はあまり印象に残っていません。ラハティ交響楽団とのシベリウス交響曲全集は評論家さん達の評価が高いので買ってみましたが、これもいまひとつピンと来ないのです。しかし、このブルックナーでヴァンスカを見直しました。変な版を採用しない交響曲全集の録音を望みたいです。

ハルコウ

2021/11/25 22:25 URL 編集返信
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