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名盤 ブルックナー:交響曲第7番【72】 オイゲン・ヨッフム(86L)

ヨッフムコンセルトヘボウ1986ブル7(縮小)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
オイゲン・ヨッフム(指揮)
Eugen Jochum
1986年9月17日(ライヴ)
東京,昭和女子大学人見記念講堂

第1主題は、深い悲しみを湛えた葬送風の音楽に始まります。弦が中心となる部分は、枯淡の境地とも言うべき、彼岸の美を感じさせる演奏が続きます。さすがはコンセルトヘボウ管で、ヨッフムの意図を100%音にしており、シュターツカペレ・ドレスデンやミュンヘン・フィルの時のような違和感は感じさせません。

第2主題はやや重めですが、第1主題と対照的な明るさはきちんと確保しています。後半は私が好きな部分であり、比較的淡々と演奏していますが、味わいはちっとも薄くありません。この曲を知り尽くした者のみが成し遂げることができる、良い意味での過不足のない演奏であります。

第1主題の再現の弦が主体となる部分は、今度は幾分力強く演奏されます。その後は一種の展開部は、大河の流れのごとく悠然と進行します。コンセルトヘボウ管のバランスの良い響きがとても素晴らしいです。主題の全部の声部が揃った形が数回楽器群を換えながら現れる箇所はいずれも楽曲pにふさわしい表情を聴かせ、この楽章最初の頂点は、厚みのある見事なサウンドを聴かせてくれます。

第2主題の再現は、知と情のバランスが取れた、しっとりとした美しい演奏です。

第1主題の2回目の再現の雄大な変奏的展開は、さすが名門オーケストラと言うべき立派なものです。音量は際限なく増大し、壮大な頂点部分は、シンバルは控えめですが、圧倒的な音による大伽藍を構築します。

頂点に続くコラールの部分は、ヨッフムの常として、ホルンが入るところから壮麗な響きとなります。弦と木管が主体となる部分はヨッフムの惜別の歌のようにも聴こえます。最後は翌年3月に世を去るヨッフムの別れの歌となり、安息の響きをもって閉じられます。

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コメント

コメント(4)
困ったな!
何時になったら、「ヨッフム盤」が登場するんだ・・・って待ちごがれており
自分としては「ヨッフムのベルリン盤」が最高峰と思ってただけに。(笑)
更に上があったとは。 
もちろん、クラシック音楽は個々に好き嫌いがあって一律ではないが、ヨッフムの日本公演盤なら、聞いてみたいと思い検索します。m(_ _)m

津金の文さん

2021/10/29 15:02 URL 編集返信
ハルコウ
Re:困ったな!
津金の文さんさん
だいじょうぶです。ヨッフム指揮の第7番で最も素晴らしい演奏は、ベルリン・フィルとの1964年の録音です。間違いありません。
ただ、オイゲン・ヨッフムが指揮する音楽の大ファンである私としては、最晩年の、コンセルトヘボウ管とのライヴに特別な思いを抱いてしまうのです。是非聴いてみてください。私はDVDを購入しようと思います。

ハルコウ

2021/10/29 19:56 URL 編集返信
Re:Re:困ったな!
これは当時TVでも見ました。
ヨッフムが座っている赤い椅子はメンゲルベルク愛用のもので、団員がヨッフムのために特別に用意したものとのことでした。でも、ガタが来ていて、使うのは大変だったようです。座ってはいたものの、大変元気そうで、インタビューにも生き生き答えていたので、間もなくの死去には驚きました。遅いテンポの演奏で、朝比奈フローリアンと同じく、思い入れが深いもので、こういうのは客観的にどうこう言うのは難しいです。

yositaka

2021/10/31 10:59 URL 編集返信
ハルコウ
Re:Re:Re:困ったな!
ネコパパさん
あの(非常に目立つ)赤い椅子は、昭和女子大学の備品と思っていましたが、コンセルトヘボウ管が用意したものだったのですか。それもメンゲルベルク愛用の品とは驚きました。コンセルトヘボウ団員のヨッフムに対する思いが伝わる、心暖まるエピソードですね。演奏も老ヨッフムをしっかり支えようとする、献身的な演奏であるように思えます。
ヨッフム/コンセルトヘボウ管による最後のブルックナーについて感想を書くのは、テレビで観ていない私でさえ、難しかったですよ。

ハルコウ

2021/10/31 20:54 URL 編集返信
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